うらろじ38本目忍野村 豆ふの駅角屋豆豊店
大豆の味を堪能できる逸品!
忍野八海で有名な忍野村。その忍野八海は名水百選に選ばれており国の天然記念物でもあります。村全体が富士山から時間をかけてゆっくりと湧き出た美味しい水資源が豊富です。今回のうらろじ探訪では、その豊かな湧き水を利用して戦後から現在に至るまで美味しい豆腐を作り続けてきた「豆ふの駅 角屋豆豊店」さんをご紹介します。
創業は昭和24年。今回お話を伺った渡辺久女(ひさめ)さんのご主人のお父さんが、豆腐作りを始めたのがきっかけだそう。当時復員して村に帰ってきたものの、戦後の混乱もあり、職がない時代。いろいろと思い悩んだ末、その頃忍野村内で多くの農家が作っていた大豆と、当時から豊富だった富士の湧水を使っての豆腐作りが始まります。村内に10軒を超える豆腐屋さんが軒を連ねるほど、忍野村のお豆腐は評判で、隣町の富士吉田市や山中湖村へ行商にも行っていたそうです。そんなある日、山中湖の別荘地で都会から見えていたお客様に認められ、ますます軌道に乗り始めます。当初、卸しのみだった販売も、時代の変化に合わせて、店頭でも購入できるように変化。創業から68年経つ今日でも地元の方を初め、リピーターや忍野八海に観光に見えたお客様に愛されております。
一番人気の寄せ豆腐を初め、他に拘りの4種類のお豆腐をお客様に試食させてくれるのが、角屋豆豊店の大きな特徴!ほんのり温かい寄せ豆腐はのど越しがよく、ペロリと食べてしまいます。初めは出されたままを一口、お次は醤油を少~しかけて一口、と大豆の甘みを十分に感じながらお豆腐を堪能。お客様がゆっくりと試食を楽しんでいただけるように、まるで食堂のようにお席も充実しています。
<商品一例>
・丸寄せ豆豊 195円
・寄せ豆豊 168円
・しそ豆豊 190円
・ゆず豆豊 190円
・黒胡麻豆豊(小)190円
・一味豆豊 190円
・生揚げ 98円
※価格は税込みです
現在は忍野村では大豆を作る担い手がいなくなってしまったため、日本国内の大豆を取り寄せて豆腐作りをしているという角屋豆豊店さん。大豆によって全く違う豆腐ができてしまうそうで、国産の大豆で且つ『角屋の味』を生み出す大豆を見つけるのが難しくなってきているとのこと。妥協せずに選び抜いた大豆は店頭にも出し、それを購入したお客様からの「美味しかった」の声はスタッフの励みになるそう。
そして、豆腐作りには欠かせないのが、なんといっても『水』。富士山の雪解け水が岩肌に染み、火山礫にろ過されながら数十年の歳月をかけて地底を流れてくる忍野村の湧水は、年間を通して一定の温度。もし生温い水で大豆を冷やかすと、日焼けしてしまいいつもの味を生み出せなくなると言うから驚きです。自然が生み出すこの恵みの水のおかげで安定した美味しい豆腐が作れるのですね。
一般的な白いお豆腐以外にも、試食で出しくれているような黒ごま豆腐やゆず豆腐、しそ豆腐に一味豆腐といった味付きのお豆腐や生揚げも販売。夏には季節限定で枝豆入りのお豆腐を作るなど、工夫も欠かしません。
美味しいお豆腐を食べて欲しいという渡辺さん一家の優しい気持ちがたっぷり入ったお豆腐は、味がとても濃厚。商売人としてはたくさん買ってもらうのがもちろん嬉しいだろうと思いきや、"出来立てを早めに食べて欲しい"という願いから「たくさん買わないでいいよ」なんていう一言も飛び出す久女さん。お店の経営は娘さんに譲り、一時は家でのんびりと過ごそうとしたそうですが、「お店に出ないと何をして過ごしていいか分からなくて。お店に出てお客様とお話しながらお豆腐を売るのが一番楽しい。」と話す姿はとても可愛らしいです。
忍野八海が今日のように観光地として栄える前からの忍野村の様子を知る久女さんは、昔の忍野村の様子を楽しくお話しながら懐かしそうに目を細めます。そんなお話上手な久女さんの元には、富士山を撮りに来る多くのカメラマンも立ち寄るそう。店内にはそういった方からいただいたという素晴らしい富士山の写真が所狭しと飾られております。みなさんも忍野村への観光がてら、お豆腐を食べに立ち寄られてはいかがですか。
2017年4月3日
※記事の内容は取材当時のもので現在とは異なる場合があります。
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忍野村 豆ふの駅角屋豆豊店
山梨県南都留郡忍野村内野556
TEL:0555-84-2127
営業時間 | 9:00~なくなり次第終了 |
定休日 | 毎週水曜日 |
駐車場 | 有り |
鐘山苑から車で10分
公式HP
豆ふの駅 角屋豆豊店
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