うらろじ4本目富士吉田 まつや茶房
あじわう哀愁ノスタルジー
喫茶店でお茶を飲むというより、まるで昭和の茶の間へタイムスリップしてしまったような感覚。場所を確認して訪ねても、店の前を素通りしてしまう謎。
それほど「まつや茶房」は不思議なお店。
一階は土間と茶の間。急な階段を上がれば、二階に二間の小振りな町家。タンスや卓袱台(ちゃぶだい)、行李や歩くと少したわむ畳など築100年の民家は年配者には懐かしく、若者には新しい異空間。
オーナーの遠山さんはアメリカの大学でプリントジャーナリズムを学んでいた才媛。が、いろいろあって、美味しい自家焙煎のコーヒーをふるまう茶房を生まれ育った街に開店させた。
昭和初期の風情を醸す店舗は、かつて大島屋と言う総合商社のような商売を営んでいた場所。昭和28年頃、まつやという履物を扱うゲタ屋のご夫婦が商売を始めた。平成の世になり店を閉めたまつやさんは空き家となった。そこを借りて喫茶店にしたのが遠山さん。
「元々が商売家に生まれてないですから、原価計算なんて言葉すら知らずに(笑)、開店当初はお茶を飲んで帰られたお客さんが戻って来て"ごめんなさい、お金払ってないですよねえ"なんてこともしばしば(笑)」このゆるい感じがたまらない、まるでお婆ちゃん家にいるみたいと評判も上々で、知る人ぞしる隠れた名店になっていったのです。
まつや茶房では飲食の他にも定期的に音楽のライブ(たとえばアコーディオンとか)や陶器や布、木工、革など手作りの作品を展示した個展なんかも随時開催中です。
<まつや茶房さんのメニュー>
・コーヒー450円 ・紅茶350円 ・かふぇおれ500円
・ろいやるみるくてぃ400円 ・中国茶500円
・かるぴす300円 ・ぐりるどちぃずさんど400円
他にもあります。
※メニューやお値段は予告なく変更される場合があります
さて、まつや茶房のもう一つの人気は二匹の人懐っこいネコたち(ホントに人懐っこいので、ネコアレルギーの方はご注意下さいね!)。メスの小梅はとにかく男の子好き。来店される男性にスリスリして毎日を楽しく送っている。お兄ちゃんの小鉄はなかなかの男前。近所の人に「小鉄、最近太ったんじゃない?」と声をかけられてからダイエットをはじめて見事に成功。近所の人が驚いて「小鉄痩せたね」というと、その日から普通に食事をするようになった不思議な子。どちらも、自由で可愛い店の看板娘と息子なのです。
お薦めはコーヒーとケーキのセット、800円。オーナーの人柄がにじむ、控えめな甘さのケーキが本格派のコーヒーの深い味わいに実によくあう逸品。
場所は富士吉田市下吉田、本町名店街にある。向かいに大きな「たなべ」というショッピングセンターがある。
駐車場は窪田商店向かい。そこから約20m、タムラ鞄屋の下です。
緩やかな時間と優しい珈琲の香りと不思議な空間でタイムトリップ、昭和生まれの方なら「ランドセルを背負ったあの頃の少年、少女だった自分」を思い出してしまうこと請け合いです。
2011年9月29日
※記事の内容は取材当時のもので現在とは異なる場合があります。
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富士吉田 まつや茶房
山梨県富士吉田市下吉田294-3
TEL:0555-22-5185
営業時間 | 10:00~19:00 |
定休日 | 月曜日 |
駐車場 | あり(店舗より20m) |
※鐘山苑から車で10分
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