うらろじ52本目富士吉田市 西多屋
創業100年をお超える老舗のお豆腐屋さん
これまでもうらろじ探訪では、富士山の恵みの美味しい水を活かして生み出される食品製造企業様や美味しい飲食店様をご紹介してきましたが、今回は当館のご朝食で提供しているお豆腐を製造している富士吉田市内の創業100年をお超えるお豆腐屋さん「西多屋(にしたや)」さんを紹介させていただきます。
お豆腐のみでなく、油揚げやがんも等も製造している西多屋さん。今回はその中でも、当館のバイキング朝食で提供させていただいているお豆腐にクローズアップしてお話を伺いました。お豆腐の原料となる大豆は、秋田のリュウホウという国産大豆を主に他の大豆を少しブレンドして各種豆腐を製造。過去に国内の他地域の大豆でも試み吟味した結果、タンパク質の分量など西多屋さんで作る豆腐には秋田産のこの品種が一番合っているという事で、年間契約を行って使用しています。
しかしながら、お豆腐の90%は水!!水の良し悪しで味が大きく変わるというほどなので、良い大豆や製法にこだわるだけでなく、山梨県富士山北麓が育んだ名水をたっぷり使用して美味しいお豆腐を製造してくれている企業さんです。
お豆腐を作るには、まずは大豆を10時間~12時間水に浸すことから始まります。季節によって気温が変わる為、浸す時間を更に長くすることも。その為、朝は3:30~作業を始めるそうです。
西多屋さんでは、平均して1日に約100kgの豆を仕込んでいます。浸している水はもちろん富士山の伏流水。更に西多屋さんでは、この恵まれた富士北麓の名水に電子イオン分解を行っています。電子イオン分解を行うことにより、水が活性化され、口当たりの良いお水に。電子酸化還元がスムーズに行われ、体内に蓄積された老廃物を排出する働きがある為、人間の体に良い優しいお水に近づくのだそうです。
こうして美味しいお水をたっぷりと含んだ大豆を粉砕し、煮込みます。その液体を濾すことで豆乳とおからに分かれます。こうして出来た豆乳ににがりを入れることで豆腐になる訳ですが、このにがりの濃度や豆乳に対してどのくらいの分量のにがりを入れるのか...それによって豆腐の出来上がり具合が変わってきます。
にがりを多くすると固まるのが早くて扱い易くなりますが、食べたときにえごいそう。お口に入れた瞬間、マイルドな舌触りと大豆本来の味を堪能してもらえるよう、固まりそうで固まらないギリギリの分量はどのくらいかを見つけ出すために、何回も試行錯誤を繰り返し現在に至ります。
鐘山苑のバイキング朝食でお出ししているお豆腐は、一般的なお豆腐で使用するにがりの分量と比べると量を極限まで減らしている為どちらかというと柔らかめ。口当たりもまろやかです。
種類は、普通の白いお豆腐と共に季節感のある味付きの2種。季節のお豆腐に関しては、当館料理長から″今度こういう豆腐作れないかな?"という相談(時には無理難題!?)を受けながら、工夫して作ってくれています。もちろん鐘山苑用に別仕込み。朝食バイキングでご提供し、お客様が食べる時間にちょうど一番美味しい食感のお豆腐を味わっていただけるようにそのタイミングを見計らって納品してくれます。時には、板前さんと連携して仕込んでいるお豆腐もあるそう。
取材に伺ったこの日は、一般的な白いお豆腐とカボチャのペーストを混ぜたお豆腐を実際にお皿へ仕込んでおりました。均等にすいすいと入れていく、その手さばきはまさに職人技。カボチャ味はほんのり甘い香りも加わり、より一層食欲が湧いてきて惹きつけられます。
当館でお出ししている西多屋さんのお豆腐の中でもう一つの名物が、特別フロアー別墅然然や鐘山苑のダイニング咲くやでの朝食でご提供している富士山湯豆腐。過去にご宿泊いただいたことのあるお客様は、この富士山型のお豆腐が記憶にある方も多いかと思います。″こちらのお豆腐が美味しかったので、また食べたいから泊まりにきました"と嬉しいお言葉をいただいたことも♪
2013年に富士山が世界文化遺産として登録されるその少し前から西多屋さんでは何か富士山に因んだ記念になるものを作れないかと思い立ち、この富士山型のお豆腐を考案したそうです。この西多屋オリジナルの富士山型豆腐は、一般では販売を行っていない為、当館にご宿泊いただいたお客様のみがお召し上がりいただける逸品。通常のお豆腐は熱々の豆乳ににがりなどを入れて″混ぜながら固める″方法を取っている一方、富士山型のお豆腐は″冷たい豆乳ににがりを加えよく混ぜ合わせた物を型に入れ、その後に加熱して固める″方法で作られます。いわゆる充填豆腐。タンパク質が均一に繋がった組織構造をしている為、調理で加熱した際に、ある温度で全体が一斉に柔らかくなるという特徴を持っています。ぷるぷる&とろっとした食感を楽しんでいただけます。
先に触れたように、今回ご紹介したバイキング朝食で提供しているお豆腐2種と、別墅然然やダイニング咲くやで提供している富士山豆腐は、ご宿泊いただいたお客様のみが味わっていただけるお豆腐になりますが、一般的な木綿豆腐や絹ごし豆腐は店頭でお買い求めいただけます。
取材中にも地元のお客様が買いに来ている様子を目にしましたが、もしご宿泊のお客様でお土産に買って帰りたい!という方はクーラーボックスのご持参をお勧めします。
【商品一例】
はだか豆腐 175円(税込)
きぬごし豆腐・もめん豆腐 各145円(税込)
お豆腐のように水の違いで美味しさが決まる食品を製造する企業様にとって、富士山の湧水は恵みの水です。富士吉田で生まれた美味しいお豆腐をぜひご賞味ください。
2021年11月19日
※記事の内容は取材当時のもので現在とは異なる場合があります。
最新の内容につきましては、お客様ご自身でお問い合わせの上、ご利用いただきますようお願い致します。
富士吉田市 西多屋
TEL:0555-22-1274
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 日曜日 |
駐車場 | あり |
鐘山苑からお車で約5分。
〒403-0002 山梨県富士吉田市小明見1531
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