うらろじ9本目都留市 菊地わさび園
富士の名水が育てた極上のわさび漬け
富士の麓、山梨県都留市(鐘山苑より車で約30分)に、およそ2,100hに及ぶわさび園があります。
「え?山梨でわさび?」と思われた方も少なくないと思います。今回紹介するのは大正時代から続くわさび園を営んでいる「菊地わさび園」さんの紹介です。
現在のわさび園は昭和35年に切り開かれたもの。四代目になる菊地さんも今年で25年このわさび園を営んでいます。農薬を使って栽培をしていた時期もあったそうですが、その頃のことを思い起こし、菊地さんが語ってくれました。
「その時は弱いわさび、色の悪いわさびが多く、栽培に悩んでいました。病気や、虫などにより収獲も不安定な時期があり、周りの環境にも影響を与えているのではないかと、常に考えていました。ある時目に付いたのが、わさび園の周りに自然のまま育ったわさびです。そのわさびには不思議と虫もつかず、元気に育っていました。それをヒントに、以前から考えていた無農薬栽培を実践しようと決断しました。無農薬のわさびを栽培するようになって7年、もちろん手入れも大変です。春・夏に草の手入れ、秋には落ち葉、冬は雪と、自然の厳しさが一番の難関です。確かに、肉体的には大変な時もありますが、こだわって好きなことをしていることもありますし、何よりお客さんに喜んでもらえるのがうれしいので、不思議とつらいと思ったことは一度もないです。無農薬に変えてから、収獲も安定し、病気にも強いわさびが育つようになりました。」
実際にわさび園に訪れたところ、見た目には「手をかけていない」自然のままの風景が。1本のわさびが収獲出来るまで約2年。15年の歳月をかけ、その間存分に栄養を蓄えて溢れだす名水百選にも選ばれた富士山麓の湧水が湧き出る環境の良さに依存せず、冷涼な水が流れる環境を整え、直射日光を避け、虫が寄り付かないように草取りを欠かさず手入れをする。それは「手間をかけて、自然のままの状態を保つ」という菊地さんの努力の様、「菊地わさび園」のこだわりを感じさせてくれました。
「菊地わさび園」で収獲されるわさびは、「わさび漬け」の生産がメインです。代表の菊地さん一番のこだわりは、無農薬で育ったわさびを無添加で「わさび漬け」にすることです。わさび漬けの原料となる酒粕から、味付けをする調味料の塩や砂糖まで、すべての材料にこだわり、試行錯誤を重ね、生み出されたのが、
「無添加こだわりわさび漬け」です。
無農薬のおいしいわさびが育つようになってから、わさび漬けも無添加にこだわり、「菊地わさび園」のわさびに合う最高の酒粕・砂糖・塩を見つけ出しました。そこからも試行錯誤を繰り返し、現在の「無添加こだわりわさび漬け」が誕生しました。
最初に、獲れたてのわさびを細かく刻み塩漬けにして、熟成させること1日。この時使用している塩はモンゴルの岩塩です。そこから菊地さん自ら足を運んで発掘した酒粕と混ぜ合わせます。酒粕は神奈川県丹澤産純米酒と栃木県朝起純米吟醸酒の2種類を新しいものと、数日間寝かせたものをブレンドし、新しい酒粕の鮮烈さと熟成された酒粕の旨みを生かし、そこへ北海道産の甜菜糖をを加え、酒粕の甘みを引き出します。良く混ぜ込み、塩で味を調え3日間冷蔵庫で寝かせて出荷となります。実際に試食させて頂きましたが、酒粕の甘みが際立ち、大きめに切ってあるわさびの歯ごたえと、ピリッとした辛みがやみつきになりそうです。私自身わさび漬けが苦手なのですが、この「菊地わさび園」のわさび漬けは美味しく頂きました。
味の決め手は?の問いに、
「おいしくなあれ」「ゆたかになあれ」
と祈りながら作ることです(笑)。と菊地さん。
現在いろいろな場所で「菊地わさび園」の「無添加こだわりわさび漬け」が店頭に並んでいます。当ホテル鐘山苑を始め、富士吉田・鳴沢・道志の道の駅、谷村サービスエリア(上り)の売店で販売しております。中央自動車道の谷村サービスエリア(上り)では、ちょっと変わったアイデア商品「わさびソフトクリーム」(340円)が販売されています。ぜひ一度お試しください。
2012年1月11日
※記事の内容は取材当時のもので現在とは異なる場合があります。
最新の内容につきましては、お客様ご自身でお問い合わせの上、ご利用いただきますようお願い致します。
都留市 菊地わさび園
山梨県都留市夏狩1803
TEL:0554-43-9279
営業時間 | ― |
定休日 | ― |
駐車場 | ― |
直接のお買い上げも大歓迎です。(要予約)
また、収獲体験も行っておりますので、興味のある方は直接お問い合わせください。
菊地わさび園 代表 菊地富美男
鐘山苑より車で約30分
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